穴を開ける器具や動作と穴を開けた結果

 「穴を開ける」器具には「毛抜き=k-enu-ki」があります。顕微鏡で見ると良く分り
ますが、毛は毛穴に生えていますので毛を抜いた後は穴が見えます。「手抜き=t-enu-ki」
をすると仕事に「穴が開き」ます。その結果恐ろしい事、「目に」余る事がしばしば起こ
り、その状態を「meni=目に」する、見る事になります。道路が決壊したり、建物が崩壊し
たりします。そういう事かと納得するのはどういう時でしょうか。ほとんどの人は聞いた時
よりも「目で見た」時に納得するのではないでしょうか。英語では「to see is to believe」
または「seeing is believing」と言う諺があります。見る事、「m-eni=目に」する事が信
じる事に繋がるのが良く分る諺です。「目」の力は「目に」物を言わせる事かもしれません。
相手に目で見て信じて貰えるような状態を作るのが目に物を言わせる事でしょう。持ちたいと
思っていた物を入「手に=t-eni」入れるといつでも見たい時に「見られ」ます。会いたいのに
会えない、「目に」する事が出来ない時には心配します。「気に=k-ini」なります。「eni」や
「ini」の言葉が入っていると日本語では「見る」や「目」に関係がるのに気づきます。ひょっと
したら日本人は上にある「tenu=ten=天」は大きな「目」または「穴」と思っているのかもしれ
ません。「天網恢恢疎にして漏らさず」と言う諺があります。容器に「穴、網目」があると
「漏る、漏れる」のが普通ですが、天の網にはそれがないようです。人間が想像できないほどに
神は「目の=meno」力が強いのでしょう。専門家は「目が利く」と言います。目が利く人は物を
判断する能力が「目に」宿っているのでしょう。目が利く専門家でも余りにも年を取り過ぎると
「目の=m-eno」力、「視力が衰え」その役目を果たせなくなります。そのような状態を名護方言
では「目=mi’」「mudu=ムドゥ」ルチと言います。目をしばしば「開け閉めする」「sibata-ku=
瞬く」人がいます。「ibata」など「abata」行音が「目」に関係があるのは「良く見えない時間帯
=暗い時間=夕暮れ時=夕方=ぬばたま=n-ubata-ma」でも分ります。

アッカド語は次の通りです。

enu = 目、穴、英語では eye, hole

inu = 目、穴、英語では eye, hole

mudu ini = 専門家(目利き、目端が利く人)、英語では expert, specialist

sibat ini = 良く瞬く人、目隠し(目を縛った、目を閉じた状態にするたますだれなど)

nubattu = 夕暮れ時、英語では evening

 アッカド語では「enu」や「inu」は良く ini に変化します。