姉とあんなに沢山とアンタ

  日本語では「an」の音が含まれている言葉は「上、多、高」などを表すようです。 自分より年が
「上」の女性は「ane=姉」です。「an=アン」ナニの後に続く言葉を次の括弧の中から選びなさいと
言われたら何を選びますか。「少々、沢山、普通の量」。日本語の分る人なら「沢山」を選ぶでしょう。
山の「奥深い所」は「高い所」だと考えられます。山の奥深い所は「深山」です。名護方言では山の
「深=mi'」です。もし「an」と「mi」を含む地名があるなば「anmi=アンミ」の地は死後の「安眠の地」
「死者の眠る場所」「山の頂上付近」にあるのではないでしょうか。名護方言では「亡くなった」のを
「目を閉じた=ミークータン=亡くなった」と言います。「目=ミー=mi'」です。山の「深=ミー=mi'」
のような高い所に行ったのが「亡くなった」を暗示するのかもしれません。昔は「姥捨山」に老母を捨て、
「死す」のを待ったとも言われます。姥捨山の山の「深=mi'」へ老母を捨てたら、やがて「mi'=ミー」
クータンと言われる状態になります。山よりも高く、海よりも「深く」愛する相手は「結婚相手、連れ」
かもしれません。結婚したら女性は「連れ合い」を「anta=アンタ」と呼びます。相手を高く評価して
いる証拠です。普通の男性には言ってはいけない言葉、夫にだけ言って良い言葉が「アンタ」だと考え
られます。

 スメル語では次の通りです。

AN = 空、天、上の部分、木の一番上の部分
     英語では sky, heaven, upper, crown of a tree

ANA =〜と同じほど多くの、英語では as much as

ANTA = 仲間、連れ、戦友、戦闘を共にする人、英語では companion, comrade

ANTA = 上の(部分)、英語では upper