北風と太陽

 北風と太陽はどちらが強いかという寓話がイソップ物語にあります。北風と太陽は「一対」の言葉
かもしれません。いつも一緒に取り上げられるのかもしれません。「強い風」は「kalla=空っ」風と
言います。 「kigi=木々」は木が二つ以上ある状態です。 「ki=gi」ですので、「kalla」の音は
「galla」の音に変ります。空っ風の吹いた後の景色は吹く前の景色と「大きく」変ります。ガラリ、
「galla=ガラッ」と変ります。神社には「shamusho=社務所」があります。神社の主神は「太陽」です。
アッカド語では「shamushu=太陽」です。照っている太陽の威力を「ガラッ」と変えるのが「北風」です。
「勢い良く吹く風」は「galla」行音で表す場合と「shama」行音で表す場合があるようです。「galla」行音
は規模が大きく、「shama」行音は「規模の小さい風の動き」を表すようです。「髪を切る」と「ガラッ」と
印象が変ります。人間が「ku-shami=クシャミ」をすると口や鼻から「勢い良く」風が吹き出て行きます。
名護方言では「息が荒くなっている」状態を「息」「吹く=フク」ンと言います。普通の軽い病気は風邪と
言いますが、「高熱が出る流行性の酷い風邪」、「流行性感冒=流感」は「influenza=インフルエンザ」
と言います。高熱が出ると「冷ます=samasu」ようにします。この世で一番強い「熱源」は「太陽」です。


 アッカド語とスメル語は次の通りです。

   shamshu  = 太陽、アッカド語、英語では sun

Shama'sh = 太陽神、アッカド語、英語では The sun-god

shammushu = 陽を浴びる、日光浴をする、アッカド語、英語では to sunbathe, to bask in the sun

       shamshish = 太陽のような、アッカド語、英語では like the sun

shala'mu shamshi  = 日没、西、アッカド語、英語では sunset, west

  galla'bu shame = 北風(太陽の力を「削ぐ」気象)、アッカド語、英語では north wind

  galla'bu = 髪を切る人、英語では barber, hairdresser 

gullubu =(髪や髭を)剃る、英語では to shave

imhullu   = 風、(台風や空っ風のような)物を壊す酷い風、アッカド語
               英語では wind, destructive wind

  IMHUL = 風、(台風や空っ風のような)物を壊す酷い風、スメル語、アッカド語では imhullu
  英語では wind, destructive wind, destructive storm