イリガサー、シブイワター、マー病ムガ

 沖縄方言の病気の名前には色々ありますが、私が知っている三つの方言はシュメル語
アッカド語でもほとんど同じ音で「病気」の種類を表します。この中で「イリ」ガサーは
「瘡蓋」の出来る「病気」だとは前に調べて気づいていましたが、もっと「怖い」意味が
あるのにきょう気づきました。昔は「麻疹=イリガサー」は「死に至る」病気だったと
思われる言葉を見つけました。「iri=入り」には「あの世に入る」という意味があるよう
です。シュメル語では「IRIGAL=地下、墓=underground, grave」ですので、イリガサーに
罹ると死ぬ、地下・墓に埋められる運命にあったようです。イリガサーに罹って助かった人
は少なかったのではないでしょうか。 体が怠くて病気かもしれないと言う人がいると
何処が痛いのと聞きます。名護方言では「mah=マー」病ムガと聞きます。シュメル語で
は「MAH=病気=sick」です。マー病ムガは同じ意味の二か国語を並べた言葉であるのが
分ります。「suburu=sibui=シブイ」ワターは「赤痢」とほぼ同じと見なして良いでしょう。
「腸が絞られる、捩じられる」ように感じるとてもお腹が痛い病気で、激しい「下痢」を
伴う病気です。アッカド語では「s,uburru=腸が絞られるような痛みを感じる病気」で、
「SHAG SUR=下げする、下痢する」はシュメル語で、アッカド語の「s,uburru」と同じ
病気です。何処かが「痛い」時には「aga agar=アガ・アガー=とても痛がって声に出し」
ます。シュメル語では「agangar=病気」です。

 シュメル語とアッカド語の病気に関する言葉は以下の通りです。

 AGANGAR = 病気、シュメル語、英語では a disease

 MAH = 病気、病む、シュメル語、英語ではsick

IRI = 病気(イリガサーの「イリ」と同じ音です)、シュメル語
        英語では a disease

IRI GIG = 目の病気、シュメル語、英語では eye disease

IRI GULA = 病気、シュメル語、英語では a disease

 IRIGAL = 墓、地下、シュメル語、英語では grave, underground

 SHAG SUR =(下げする、下痢する病気)、赤痢の一種、シュメル語
英語では suffer contractions of intestines

 s,uburru = シュメル語の SHAG SUR と同じ病気、アッカド語