うっちゃり、うっかり、ウッチャン・ナギレー、ウターリン

相撲では押し気味で優勢だった力士が
相手の力士の体を「通り過ぎて」自分
が先に土俵を割る場合があります。その
ような時には「utt,ari=ウッチャリ」で
負けたと言います。予定の時間をかなり
「過ぎても」会合に来なかった人にどう
したのと聞くと「ukkari=うっかり」して
日にちを間違えたと返事する人がいます。
遠足の時など約束の時間を「過ぎても来
ない」人がいると、その人を「置き去り」
にして出発する場合があります。その時
には名護方言では「utt,ian=ウッチャン
ナギレーと言います。「ku=来」るの
過去形、「来た」の名護方言は「tian=
チャン」です。「ka」行音が「ta」行音
に変化しますので「uta'ru=utt,ari=ukkari」
と見なして良いでしょう。勤務時間を遥か
に「過ぎても」働くと「疲れ」ます。働き
「過ぎる」と疲れます。疲れるの名護方言は
uta'in=ウターイン」ですが、今帰仁方言
では「uta'rin=ウターリン」です。沖縄方言
では「r」」の音は脱落する場合が多いのです
が、今帰仁方言ではその音が保たれています。


アッカド語では次の通りです。

uta'ru = 行き過ぎる、越す、英語では to surpass, to exceed