谷茶前ヌ浜

沖縄や沖縄の音楽に詳しくない人は
「tantia=谷茶」が「内陸部にある」
か「海に面している」か分らない
でしょう。しかし「tanto=タント=
沢山」の意味が分る人は内陸部か
海浜かすぐに予想がつきそうです。
水が「tanto=タント」ある所は「海」
です。「tanta」行音は「海浜」に関係
が深い言葉だと推測出来ます。沖縄の
谷茶は沖縄民謡の「谷茶前節」で有名
な場所です。その歌詞は「谷茶前ヌ浜」
から始まります。この歌は漁民の歌で
あるのが分ります。とても軽快で響き
の良い歌ですので是非インターネット
で谷茶前節を検索してお聞き下さい。
沖縄出身の人でこの歌を知らない人
はいないと思われます。 それほど
有名な歌で、私の好きな沖縄民謡の
一つです。ところで「気性の激しい」
人は「短気」と言われます。「海」
の男は気性が激しいと言われます。
「短気な人」の沖縄方言は「tanti
=海」と「er=a'=人=男」を合わ
せた言葉です。「tantia'=タンチャー
=海の男=短気な人」と分析出来
ます。谷茶の音と殆ど同じです。
語尾を長くするかしないかの違い
だけです。言葉の成り立ちから
考えると音が似ているのは当然
と考えられます。同じ仕事をして
いた人がある時期を境に別々の
仕事を始めると「袂=tamoto=
tamtu」を分かつと言います。
山幸彦は山へ、海幸彦は海へ行き
ました。別々の仕事をした事で
袂を分けたのが分ります。誰が
見ても簡単に分るのは陸と海は
海岸線や浜で土のある所と水の
ある所に別れています。海こそ
陸と「tamtu=tamoto=袂」を
分かつと言って良いかもしれ
ません。

アッカド語では次の通りです。

ta'mtu = 海、湖、英語では sea, lake

ta'ntu = 海、英語では the sea, the ocean

ta'ntu rabi'tu = 大洋、大海、英語では the ocean, the big sea

me ta'nti = 海水、英語では sea water