基地で分るカ行音からタ行音への変化

  名護方言では「来る」は「kun=クン」ですが、過去形の「来た」は「tian=チャン」
です。「k → t」の変化が起こります。基地も「基=ki=地=ti」です。「足掻く=agaku」
が過去形になると「アガチャン=agatian」になります。「足掻いて」しまったは「agati=
アガティ」ネンと言います。「足掻いて=agati=agazi=赤字=損失」と見なして良い
でしょう。「agazi」の「a」が「i, u, e, o」などの母音に変化しても「悪い」状態を示すと考え
られます。「足掻く」に似た言葉に「mogaki=もがき」「苦しむ」があります。「悪い事」を
したら警察に捕まるでしょう。「見逃して下さい」という「不貞」の輩がいるかもしれません。
「見逃して許して」下さい、「逃して」下さいの名護方言は「nugati=ヌガチ」ターヘーです。
損失は「穴を開ける」とも表現します。金が流れ出るからでしょう。軒下に雨垂れが流れ落ちた
状態が続くと長い年月の後にはその下の石に穴が開く時があります。雨垂れ石を「穿つ=ugatu
=ugazu」と言います。「上げ足を取られ」「立場を悪くする」のを防ぐ一つの方法は「ukazu=
ukatu=迂闊」に物を言わないようにする事でしょう。「uganzu=御願所」へ行って「願を掛ける」
のは「良い事がある」ように、「悪い事が避けられます」ようにと祈る為です。

 スメル語では次の通りです。

  AGAZI  = 赤字、損失、英語では loss