ワヂ、泉、ワタの原: ワヂワヂー、怒りが込み上げて出てくる、海

 怒りが込み上げてくる状態を沖縄方言では「wadi-wadi'=ワヂワヂー」スンと言います。
「留めなく湧き出てくる」状態を表す言葉が「wadi」のようです。川が海に面している所
では河口から水が流れ出ます。そのような場所には「wadi=ワジ」の音が含まれるようです。
水が「湧き出る場所、泉」の沖縄方言は「wadi=ワジ」です。川には水があります。水の上
を行き来するのは「wata=渡」る、と言います。「d = t」の変化は良く見られますので、
「wadi=wati=wata=渡=海」であるのが分ります。海原を「wata=海」の原とも言います。
「怒っている」人がいるとその人の嫌な気持は「外に出て」いますので周囲の人はその人の
怒気を感じます。怒っている状態を表す沖縄方言は「wadi wadi =ワジワジー」です。水が
流れ「出す」現象だけでなく、言葉が淀みなく「流れ出す」状態も「wadi」の音は表すよう
です。言葉は口から外に出ます。 話が淀みなく出来る人、話が上手い人は「wadai=話題」
が豊富で、「wadu-tu=話術」が巧いです。「wadi」など「wada」行音は「 中から端っこ、
隅、淵、縁を通して色々な物が外に出る」状態を表すようです。

 スメル語では次の通りです。

  WADALTUM = 流す、流れ出す、取り除いて捨てる、英語では shed