チマグとアシ・ティビチ

左: チマグ


  潰して料理した豚足を沖縄方言では「アシティビチ」と言います。豚足はチマグの部分とそれより
少し上のティビチになる部分に分けられます。チマグの「gu=グ=具」には「食べる」意味があります。
「tima=チマ」は何でしょか。生きている家畜は「鳴き声」をあげますが、死んだら鳴きません。「言う、
声を出す、鳴き声をあげる」は同じ音で表されるかもしれません。「言ってご覧よ、言いなさいよ、発言
したら良いよ」の名護方言は「abudu=abidu=abi'ru=アビール」スルです。生きている「豚の足」は名護
方言では「ウワー・ヌ・ピサー」ですが、屠畜、「tubu=潰」された後は「timagu=チマグ」や「tibiti=
ティビチ」になります。家畜は潰すと「血だらけ」になります。そういう状態を「tinu=血塗」られたや、
「tima-mire=血まみれ」、「tima-turi=地祭り」に上げられた、と表現しても良いかもしれません。
「tubu=tumu=timu=tima→tinu」の変化が推測されます。そう解釈すると「tima-gu=チマグ=潰して
食べる足の一部」になります。人間は家畜を殺して、屠畜して食べる時には「罪悪感」を感じるようです。
「timuguru=チムグル」サン、心苦しく思うと「チマグ=timagu」や血まみれ、血祭りの音はとても近い音
です。チマグの少し上を料理して出来上がったのが「足=アシ」ティビチです。私はティビチの「tibi=
ティビ」も「潰した物」と解釈しています。 「b=m」ですので「tubu=潰」すの「tubu」は「tumu=摘む」
と同じ意味の言葉であるのが分ります。芽を摘むと植物も人間も成長できなくなります。動物界の生存競争を
見ると食うか食われるかの戦いです。 敵に「食われたら」一巻の終りです。食べられたら鳴き声も聞こえ
ません。「gu'=グー」の音も出ないのは当然でしょう。

スメル語とアッカド語は次の通りです。

GU    = 食う、食べる、スメル語、英語では eat

abudu  = 家畜、アッカド語、英語では livestock

t,ubuhu = 潰す、(家畜などを)殺す、アッカド語、英語では slaughter