ウーとウーサイ: 目上の人に「はい」と答える言葉

 沖縄方言では目上の人に「はい」と返事をする場合には「u’=ウー」と言います。
「ウー」「サイ」とも言います。「ウー」の音は「uya=oya=親」や「uyama=敬」ウ
の中にも含まれています。「u=目上の、親など尊敬するに値する」などの意味が
ありそうです。「はい」の代りに「ウン」と言う場合もあります。「un=ウン」に相当
する沖縄方言は「イン」と思われます。昔は「ウン」とか「イン」と言うと「ハイ」と
答えなさいと言われましたが「ウン」と「ハイ」は同じ意味かもしれません。つまり
「un=ハイ=high」なら「悪い言葉ではない」と考えられます。そこまで考えると
ご冗談をと言う人が出てくるのかもしれません。タミル語などのドラヴィド系の言葉では
「uyaki=親慶」原の「uyaki」は「高台」です。親慶原は沖縄県南部の与那原町の後方の
高い山、高台にあります。高い所へは手が届きません。高嶺の花にも手が届きません。
そのような状態を「及ばない」とも言います。沖縄方言では「uyu=ウユ」バランです。
「u=yu=高い」と考えられます。「yu=湯」は水温が「高い」状態です。

 スメル語では次の通りです。

U   = 尊敬する事、崇拝する事、感嘆、感服、英語では admiration

  DUG = 話す、英語では speak

U DUG = 尊敬する、崇拝する、賞賛する、英語では admire

UN = 高い、立ち上がる、英語では to be high, arise