ウムセンとウムシル・ムン: とても素晴らしいショーや面白い場面を見たら出る言葉

とても素晴らしい出来事や面白い場面を見たら名護方言ではウミハンと言い、
首里方言では「umussan=ウムッサン」またはウムサンと言い、今帰仁方言では
「umusen=ウムセン」と言います。なぜ「おもしろい」の当て字が「面白い」
なのか理由が分りませんでしたが、きょうその理由が分りました。「表面、面」
は「一番上」です。「一番上」は「特別」です。「特別」「面白い」のを表す
言葉に「面=一番上=特別」が修飾語として使われるのは合理的です。
そう考えると「siro」の音だけで「おもしろい」意味があると考えても良いと
考えられます。今帰仁方言の「ウムセン」、シュメル語の「UMUSH」に相当
するアッカド語では「s,i'ru」です。男は女の「乳」を見せられたら喜ぶようです。
楽しい、面白いのを見るのは「乳だよ」の名護方言は「s,i'ru==チール」ドー
です。天照大御神が天の岩戸にお隠れになった時に皆が笑い、「面白がる」よう
に天のウズメは上をはだけて「乳を露」にしました。それで皆がどっと笑い、その
声を聴こうと天照大御神が岩戸を開けて覗いた時にその腕を掴んで天照大御神
再びこの世に引き寄せたのです。こんな古い古事記の中に「ウムセン」と「チール」ドー
が含まれているとはびっくりします。楽しい時や嬉しい時には酔い「痴れ=sire」ます。
人間は他人の「痴態」を見るのを「面白」がります。勝負事では負けたら悔しがります
が、勝つと「面白い」です。相撲では「siro=白」星は勝ちです。白の沖縄方言は
「siru'=シル―」です。戦いに勝ったら敵の「城」を奪いそこに住みます。「siru=
siro=城」に住む人は戦いに勝った人ですので、「高貴な身分」になります。そこ
での生活も「面白い」だろうと庶民は思うでしょう。 「omoshi-roi=面白い」の
「omoshi」の音は沖縄方言では「umushi」に変りますので、面白いは「umushi」と
「s,i'ru」、即ちシュメル語とアッカド語を二つ並べてその後に形容詞語尾の「i」を
付けた形、構成になっているのが分ります。この文章を書きながら私もウムセン、
ウムサン、面白い発見だと楽しんでいます。

 シュメル語とアッカド語は次の通りです。

UMUSH = とても素晴らしい、高尚な、高貴な、意気揚々の、シュメル語
       英語では exalted

 s,i'ru = とても素晴らしい、最高の、目立つ、高尚な、アッカド語
       (面白いの「白」の音にも「チール=乳の」の音にも似ています)
       英語では splendid, supreme, outstanding, exalted