礎、イシジと筋が通らない

   基礎は「下」の部分です。基礎の「礎=so」は「isizu-e=礎」と読みます。
沖縄方言では「isizi=イシジ」です。「siza」行音は「下」を表しますので「礎」に
「sizu」が含まれているのは当然でしょう。「sose-ki=礎石」の中にも「sasa」行音
が含まれていますので、音だけでこの言葉は「下の部分」を表しているのが分ります。
物を「sasa=支」えるのは上の部分が倒れて壊れないように、「下から」動かないよう
にする方法です。物事の道理を知っているのは知識が上の人だと考えられています。
上の人は「下の」人にやり方を「示唆=sisa」します。とても「悪い」状態を表す言葉
にも「siza」行音が含れています。「siza-i=死罪」は極刑、最悪の刑で、親が「最低、
最悪の気分」になり悲しむのは、生まれて来るべき子の「siza-n=死産」でしょう。
「屁理屈」を言う態度も「悪い」と考えられています。沖縄方言では「そういう理由
を述べて」断るのか、と言う時に「〜sizi=屁理屈=理由=筋=シジ」ナーと言います。
それは「suzi=筋」が「通らない」の「筋」です。この場合には必ず「否定」の通らない
の「ない」が後ろに付きます。「suzi」や「sizi」は言葉の内容が「否定」や「下」を
表しているのが分ります。

トルコ語では次の通りです。

nezaketsiz = 繊細でない、心が行き届かない、英語では indelicate

duzensiz = 不規則的な、英語では irregular

uygunsuz = 不適当な、適用できない、
           英語では improper, unsuitable, inapplicable

numssuz = 不正直、不名誉な、英語では dishonest, dishonorable

acisiz = 痛みのない、英語では painless

ahlaksiz = 腐敗した、腐った、正常でない、英語では corrupt