良い面構えとユー・チラー・ネン

 良い面構えの否定形を沖縄方言に直訳するとユー・チラー・ネンになると思います。
「良い=ユー=eu’」、「面=tila」で、その否定は「ない=ネン」です。「nai=ne’」ですが
「強調する時には「n」を挿入する場合が多いですので「nai=ne’=nen=ネン」になります。
「良い面構え」の人には惚れ込み、その人を仲間に入れるのは良い事で、仲間に入れた後で
「満足」する場合が多いのではないでしょうか。「良い面構え」だと「foxo=ほくそ」笑むのは
「カバ色=狐色=fox color」に「焼き上げ、鍛え上げられた」肉体を見た時でしょう。逆の事、
即ち「良い面構え」で、期待に添うような活躍を期待していたのに、当て外れだった時には
「ユー・チラー」「ネン」になります。ここで「面白い」事に気づきます。漢字の優秀の「優=
ユウ=ユー=yu’=eu」の音と意味はギリシャ語の「eu=良い」と全く同じです。つまり「ユー・
チラー」「ネン」の「ユー」と全く同じです。ここで「チラー」の意味は「面」の漢字に影響されて
「顔」だと思っている人が多いと思いますが、それは事実の一端を表すに過ぎないと思います。
昔でも今でも「肉体労働者」や「スポーツ選手」が「良い成績を残せる」かどうかは、その「肉体、体」
が「鍛え上げられている」か、どうかでしょう。つまり「体、皮膚、肌」が「カバ色に焼けているか」
「狐色」になっているかどうかで判断できると考えられます。「素晴らしい出来上がり、素晴らしい焼き
上がり」の色は「カバ色」で、その色は「カバ焼き」の色であり、「狐色」です。その色は「芳=ka-n-ba」
しい結果を齎すと期待されます。栴檀は双葉より芳しと言われます。「良い香り=芳しい薫り」の首里
方言は「kaba=カバ」サンで、今帰仁方言では「haba=ハバ」シェンです。そうでない時には「果々
=haka baka」しくない、と言います。果物も「熟すると」「赤っぽく」なりますが、まだ青いままで
熟していないなら全然おいしくありません。それを食べても「うまいと思わない」「果々しい」結果は
出ないので、「果々しくない」と表現されます。以上を考えると「面=チラー」は「カバ焼き」のカバ、
カバサンのカバ、に相当する状態を表す「鍛え上げられた、焼き上げられたような色の肉体」を表すと
考えられます。その色のように「焼き上げられた」物の代表は「煉瓦=brick」でしょう。蒲焼のように
肉を「炙る=a-buru」と「brick」のような「赤茶けた色」に焼き上がります。「br」の入った言葉には
「炙る=焼き上げる」意味があると考えられます。英語・トルコ語辞典に「brick=煉瓦」を入力すると
次のトルコ語が出てきます。トルコ語以外の言葉は「From Language to Language」の「Word of The
Day」を参考にしました。良い面構えの「面=tula」は「がっちり=gat-tili」した「煉瓦色に焼けた
体つき、体の構造、骨組み、」を表し、ユー・チラー・ネンの「チラー=tila’」は「煉瓦色に焼き
あがったような芳しい結果を残せると期待したのに、その結果が得られなかった状態」と考えられます。「tila=チラ」の音は煉瓦のように固くて壊れ難いモノ、素晴らしい物」を表すと考えらます。がっちり
しているの「ちり=tili」の音と面構えの「面=tula」も同じ語源から派生した言葉と考えられます。
木の葉を見ると良く分りますが、大木から葉が「黄色くなる」と落ちてそのまま「tili=塵」となり
「茶色から黒い色」へと変化していきます。

  tugla = 煉瓦のトルコ語
  g の上には g を発音しない事を表す符号が付いています。
          Hong Kong では最後尾の g を発音しないですが、綴りでは中に
          表記しながら発音しない表記の方法もあるのが分ります。
tegla = 煉瓦のハンガリー語、    
cegla = 煉瓦のポーランド
  tiili = 煉瓦のフィンランド語 
 tehla = 煉瓦のスロバキア