見チャン: 過去を表す沖縄方言とトルコ語

 「聞いた、見た、言った」は沖縄方言では「聞チャン=ki-chan」「見チャン=mi-chan」
「言チャン=i-chan」です。沖縄方言では「過去形を表す語尾」は「チャン=chan」だと
分ります。「ちゃんと=chan-to」聞いたか、見たか、言ったかの、「ちゃんと」に含ま
れる「chan」は過去を表す沖縄方言の「chan」と同じだと見なすべきでしょう。「過ぎ去
った」日は「過去形」で表されると考えられます。「先週」「先月」の「先」や「去年」
の「去」は「過ぎ去った」週、月や年を表しています。 これらを表す言葉に「chan」が
含まれている例が見つかると、確実に、はっきりと、「ちゃんと」沖縄方言とトルコ語
関係を証明した事になるのではないでしょうか。日本で発行された日本語の辞書の語源説
を私はほとんど信じていません。それは余りにも漢字に毒されて言葉の本来の意味が失わ
れている可能性が大きいと私は感じているからです。「せんない事=どうしようもない事」
を日本の国語辞典で探すと「詮ない事」と「詮」の字を当てていますが、私なら「先ない
事」と表記します。私の「先ない事」は「過去に起こった事=覆そうにも覆せない過去に
起ったどうしようもない出来事」です。国語辞典の語源説は私の説とは大きく違います。
トルコ語の「cen」は「チャ」行音ですが、日本語では「サ」行音に変ったと考えられます。
漢字の「先=sen=cen」はその音と意味を良く伝えていると考えられます。 沖縄方言では
「チャ」行音がそのまま保存されています。過ぎ去った事を変えられると考える人がいると
その人は気違いでしょう。そのような考え方は「解せん=gesen」です。「過ぎ=sugi」に
含まれる「gi=ge」の音は過去を表す言葉に含まれているようです。

  トルコ語では次の通りです。

gecen = 過ぎ去った、先週、先月の「先」、去年の「去」
           英語では last, past

gecmis = 過ぎ去った、過去の、英語では gone, by gone, foregone,
by past, departed, former, late, one time, old

 gecen hafta = 先週、英語では last week

gecen ay = 先月、英語では last month

 gecen sene = 去年、英語では last year


 注: gecen の「c」の下には「長い s のような符号」が付いています。

     この「ce」は日本語の「チェ=che」に近い音です。