平敷港、くり舟、津堅島

昔はかなり遠くまで小さな
「kuri=くり」舟で渡って行った
と言われています。近い離れ島
には当然「くり」舟で行ったで
しょう。離島の人はより大きい島、
本島には「くり」舟で「通って」
いたと思われます。離島へ渡って
行く港に「渡る、行く、通り過ぎる」
言う名前が付くのは自然と考えられ
ます。自分がやるべき仕事を他人に
「itaqu=委託」する場合があります。
その時には必要な書類は委託した
相手に「渡し」ます。離島へ「渡る」のも
「itaqu」に近い音で表されると推測でき
ます。仕事が「hetaqu=下手ク」ソな
人は自分の仕事を上手な人に取ら
れる、「引き渡す」よう迫られるで
しょう。強制的に物が「移動する」
のは「hittaqu=ヒッタク」リです。
今までの風習や規則を守らない
のは風習や規則の「枠外に出る」
事です。そういう時にも「hettaqu
=ヘッタク」レも無いと表現します。
「hetaqu, hitaqu, itaqu=渡す、渡る、
今までの範囲を越える」状態である
のが分ります。「t=s」の変化は良く
見られますので「hetaqu=hesaqu」
行音になります。勝連半島と「hesiqi
=平敷」には津堅島など近くの島々へ
「渡る」港があります。極めて分り易い
地名です。「netaqqi=寝タッキ」リに
なると「動けない」です。離島などを
表す名前にも「etaqa, idaqa」やそれに
近い音で表されると推測されます。
「ituq=ituqu=厳」島は有名な厳島
神社がある離島です。アッカド人が
命名したのではないでしょうか。


アッカド語では次の通りです。


  eta'qu = 渡す、沿って行く、通り過ぎる、通り抜ける、横切る、越す
           英語では to pass, to go along, to go past. to go through. to cross over, pass by


  ete'qu   = eta'qu の変化形


 la' eta'qi = 渡せない、通せない、英語では impassable

i'tuq = eta'qu の変化形