なぜ近道は怖いか:  近視眼的見方と近道は怖い

 近道は怖いと言われます。これは全く馬鹿げた話です。「死に至るような危険な状態」を表す
「sikamati=tikamata」行音への当て字に「tikamiti=近道」を当てた為に「近道」は「怖い」
事になってしまったのです。泥棒は「tukamatta=捕まった」ら「酷い目」に遭わされるでしょう。
「吃驚させて」の名護方言は「sikamati=シカマチ」です。親が子供を殴っていた風景は昔は良く
見られたようです。なぜ殴ったかは昔の人、年を取った世代には説明する必要は無いでしょう。
親の言う事を「聞かなかった」から殴ったのは周囲の人が知っていたからです。「聞かなかった」
首里方言は「tikamtan=チカンタン」です。 親の言うのを聞かないと「酷い目に合わす」のは
社会、周囲の了解事項だったのです。「危ない」判断を近視眼的と言うのはかなり新しい表現と
考えられます。「tikame=近目=近視」なので「近視=近目」に悪い意味があると思い込ませて
しまったのです。それで「近視眼的」と言われる表現が生まれたと考えられます。「tikamata」
行音に「怖い、悪い」意味があるのであり、近視に悪い意味がある訳ではありません。 正しい
意味を「tukamete=掴めて」いたら別の漢字を当てていたかもしれません。「tukama」行音は
「心、命」に関係があり、「tukamata」行音は「怖い、死、灰になる」状態と関係があると考え
た方が理屈に合います。桜島が噴火すると火山灰が「積る=tumoru」と言います。 灰は
「tumori=積り」ます。積るの名護方言は「t,imu=チム」インです。雪も積りますが、火山国
では年中「tumoru=積る」のは「火山灰」でしょう。「灰が積もる」も同じ意味の二種類の言葉
を並べて新しい意味の言葉を作っているのが分ります。即ち「灰=tumoru」です。

アッカド語では次の通りです。

t,ikme'nu = 灰、英語では ashes
  
  t,ikmennu = 灰、英語では ashes

tumru    = 灰、英語では ashes

 注: 辞典を発行している機関により楔形文字をローマ式綴りに転換する時に
    少々の違いがあるようです。t,ikme'nu と t,ikmennu は辞典を発行所
    が違います。