イラベー、イラーブン、 大きいのを選ぶ

 親子で買い物に行き子供がリンゴが食べたいと言った時に親が小さい子供に好きな物
を「erabi=選び」なさいと言ったら、普通の子供は「大きい」のを「選ぶ」のではないで
しょうか。前に東京「e=へ」行くのは「上り」で、東京から地方に行くのは下りだと述べ
ました。太陽が「上る、昇る」方向は「東」ですが、名護の東の地区は「agari-e=東江」です。
東江は同じ意味の二種類の言葉を並べた言葉になっています。即ち「上り=agari=e=
太陽が昇る(所)」です。「選ぶ」も同じような構成になっていると考えられます。即ち
「e=上る、昇る、上へ動く、上へ伸びる、大きくなる、大きい、多い」と見なせます。
同じ意味の二種類の言葉を並べて新しい意味の言葉を作る日本語の法則に照らすと
「選ぶ」は「取り上げる=上に引き出す=e=rabu=普通のより大きくて上に飛び出して
いる物=良い物」と推測出来ます。名護方言では「e-rabi=選び」なさい、は「erabe'=
irabe'=イラベー」で「e-rabu=選ぶ」は「e-rabun=i-ra'bun=イラブン」です。「上」は
「i'=イー」またはウヮービです。

 スメル語、アッカド語、ヘブル語、アラビア語、シリア語、ウガリト語は次の通りです。

  E = 大きくする、(子供などを)育てる、太陽が出る、太陽が昇る、外へ出る、スメル語
英語では to raise ( a child), sunrise, leave, to go out

rabu = 大きくなる、大きい、大きくする、子供を育てる、偉くなる、増える、優れる、上に立つ
        to grow up, get bigger, to be big, to raise child, to become great, increase, superior to

  raba' =  上げる、アラブ語、英語では to raise

  raba' =  大きい、シリア語、英語では great

rabb =  大きい、ヘブル語、アッカド語の rabu と同じ

  rb =  大きい、ウガリト語、アッカド語の rabu と同じ