パニンとフ・パーヌ: 水中から跳ねて現れて見える状態と婚約

 魚は水中に棲む動物ですが、たまに水上に体の一部を見せます。その様子を日本
ではは飛び「跳ねる」と表現します。跳ねるの名護方言は「panim=パニン」です。
跳ねて水上に体の一部を「見せる」魚は釣り上げられた魚も同じです。人間の
「捕獲物」になります。結婚の前に婚約をするのが仕来り、習慣です。婚約の時
両家の親戚が「顔」を「見せ」ます。「hana=鼻」は「顔」にあり、「一番前」に
突き出ています。 「hana=最初」から相手にしないは「hana=ハナ」から相手に
しないとも言います。「hana=鼻」の名護方言は「pana'=バナー」、婚約は
「fu-pa'nu=フ・パーヌ」と言います。「鼻=顔」を見せる、「顔合わせ」をする
のが「fu-pa'nu=フ・パーヌ=婚約」の儀式の主な目的でしょう。お互いの親戚が
「前に出て顔見せをし」その後で婚約をした女性は男性の方へ「進む、向かって行き」
「その男性の所有物」になる、というのが古い時代の考えだったと考えられます。
結婚式の「前に」行われる習慣が「fu-pa'nu=フ・パーヌ=婚約」です。 怒ると
直ぐに「顔に表れる」人がいます。怒っている表情を「プンプン=pun pun」して
いるとも言います。「前に」「出る」、選挙に「出る」など「出て」皆に「顔を見せる」
のを名護方言では「igin=イジン」と言います。

 アッカド語、ヘブル語、ウガリト語、スメル語は次の通りです。


pa'nu = 顔、〜の前に、〜に向かって, 所有して、
       英語では face, in front of , in the presence of, to, towards, in possession of

pa'ni = pa'nu と同じ

pa'n = pa'ni と同じ

pa'ni'm = ヘブル語、アッカド語pa'nu と同じ

pn = ウガリト語、アッカド語pa'nu と同じ

IGI    = 顔、最初、早く、先に、前、スメル語、アッカド語pa'nu と同じ
        英語では face, first, ealier, front