ヌラーティ・ターへー: 叱ってやって下さい

 自分の子供が「悪い事、馬鹿げた事」をしているのを見つけると「叱ってやって下さい」と親戚や隣近所
の人などにお願いします。名護方言では「nula'ti=ヌラーティ」ターへー又はヌレー・クルシミ・ソーレーと
お願いします。ターへーや「ソーレー=候らえ」が「〜して下さい、お願いします」ですので、「nulla'ti=
nula'ti=悪い事をしたら叱る」になります。悪い事をして親戚や近所の知人に「叱られ」ながら子供が大きく
育った暁には、親は親戚や知人にあの時はお世話になりましたと言って子供に感謝の意を述べるよう言い
含めながら寸志の品を「持たせる」でしょう。「持たせる」の名護方言は「mu-ta'hun=ムター」フンです。何か
「持たせましょうか」は「mu-ta'humi=ムターフミ」です。誰かに「お願い」するのは「助けを求める」事です。
「お願い、助けを求める」状態を表す言葉に「ta'he'=ターヘー」に近い音があると推測しても良さそうです。
昔は農作業は共同作業が良く行われたようです。隣同士の農地、「田畑=tahata」を持っている人は日にち
を決めて代わる代わる相手の田畑での農作業を「手伝った」ようです。手伝って「あげようか」の名護方言は
ティガーネ・シチ・「ターフミ=ta'humi」です。「taha」行音は「隣近所」や「手伝い」などを表す音だと推測でき
ます。「〜してあげる=ta'humi」です。代りに「行ってあげようか」は「イジ」「ターフミ=ta'humi」です。「〜して
あげる=「隣近所の人を」手伝う=ta'humi」と見なされます。

 アッカド語では次の通りです。

  nulla'tu = 適切でない・間違った・下品な行為、、意地悪な・悪意のある行為、馬鹿げた話や状態
         英語では improprieties, maliciosness, foolishness

  tahu'mi = 隣近所、英語では neighbor

  tahana'tu = 助け、援助、英語では help, aid