パナビルー: 鼻の低い人

  鼻の低い人は名護方言ではパナビラ―または「panabi-lu=鼻ビルー」と言います。
「lu=人」ですので、「panabi=鼻が低い」状態と推測できます。「pana=鼻=abi」
です。同じ意味の二つの言葉を並べて新しい言葉を作る日本語の法則を当てはめると
「鼻=pana=abi=api=apu=appu=鼻」と推測できます。「鼻」が入った表現には
意気揚々としている、威張っている状態を表す「鼻が高い、鼻高々」などがあります。
その高い「鼻をへし折ってやれ=鼻を凹ませ」などがあります。「やっつけろ」と同じ
意味です。 「鼻をへし折る、鼻を凹ます」と「鼻が低くなる」のは当然でしょう。
ボクシングでは相手の「鼻をへし折る、鼻を凹ます」場合が実際にあるスポーツです。
とても「ar-appoi=荒っぽい」スポーツです。「荒っぽい」には「鼻を凹ます、鼻を
へし折る」意味が含まれていると推測できます。うず高く積まれた状態は「あんなに
沢山」と言います。名護方言では「appi=アッピ」ナー・タラムンと言います。「極端
な状態」を表す言葉に「appa」行音が含まれているのが分ります。「極端に良い成績」
を上げたら「appa-re=天晴れ」です。そう言われると「鼻高々」でしょう。「極端に
悪い」状態は「死にかけた」状態です。 海で「溺れそうになった」ら「appu appu=
アップ アップ」していると言います。この言葉は「非常に苦しい」状態を表す時にも
使います。相手をやっつけるのは「makasu=負かす」と言います。相手を「負かし」
「鼻をへし折る」仕草をしたらそれは相手を嫌っている証拠です。相手を「負かす」
の名護方言はマカフンですが、首里方言は「makasum=負カスン」です。

 アッカド語では次の通りです。

 appu = 鼻、英語では nose

 s,ibit appi = 極端な状態、窮地、先端、鼻先、英語では extremity

 appu kasha'dum = やっつける、英語では defeat

 appu maha's,um = 苦しい表情、苦悩を浮かべた表情
英語では a gesture of distress

maha'su = 負かす、やっつける、英語では to beat, to strike


注: mahas,umの h の下には発音記号を表す丸まった横棒があります。
    k の音に近いと考えられます。