ウッターヤ、ウタータン、歌: 怒鳴る呟くなど口から出る音声を表す言葉

 動物は鳴き声をあげます。鳥の場合は囀ると表現する場合もあります。人間も物を言う、発言し、怒鳴り、
喚き、呟き、唸るなど「口から色々な音を出す」のが普通の人です。美しい顔、絵などと言うのは分り易い
ですが、どうして「utu=美クシイ」声、「美しい」「音色」と言うのか、小学生の頃から不思議に思って
いました。スメル語を学んで「utu=口から出る声や音」を知りなる程と思っています。不良少年の行動を
見て「こいつらは」と「呟く」か、話し相手に「話しかける」場合があります。「口から出る」言葉です
ので「uta」行音が含まれる言葉があると推測できます。「こいつらは」の名護方言は「utta=ウッタ」ヤ
です。「歌」も「口から出る」「音声」の一つです。歌以外にも「口から出る」言葉には愚痴や呟きがあり
ます。疲れた時などには「ああー疲れた」と呟く人もいるでしょう。とてもきつい肉体労働をした後などで
疲れた時には名護方言では「uta'=ウター」タンと「言い」ます。「呟き」ます。今までなぜ「疲れた」と
「歌」が同じ音で表されているのか不思議でした。スメル語が分った今は当然だろうと思っています。
もっと面白い推理をしてみましょう。ひょっとしたら沖縄方言の「utaki=ウタキ=御嶽=神を祀る小高い
山の頂上にある場合が多い」は神の「uta=歌=声」を聞く「ki=基=地=所=場所」かもしれません。
「祀っている神の声を聞く場所」が「utaki=御嶽」と考えられます。

 スメル語では次の通りです。

  UTU = 口に出す事、口に出した事、発言、英語では utterence

  KI  = 基、地、土地、地面、地下、地球、英語では land, ground, underground, earth