キ・チャール・クトゥ・ネン: そんな話は聞いた事がない

 日本では根回しが大切ですので、何かを取り決める時には前持って権利のある人、参加者全部に知らせる
べき事は確実に知らせる必要があります。もし連絡を怠ると、そんな事は「聞いた事がない」と議題に取り
上げて決めたい事に 「反対する」可能性が高くなります。「聞いた事がない=否定、悪い状態」と考えて
良さそうです。 子供が帰って来たすぐ後で学校の先生が訪ねて来たら親は子供が「悪い事を仕出かした」
と思うでしょう。そういう場合は名護方言では「何を=ヌー」「シ=為」「チャール=t,a'ru=zia'ru」と
言います。「zia'ru=t,a'ru=チャール=否定したいほど悪い状態」と推測出来ます。来て欲しくない人が
来たら「なぜ来たのか」と言います。名護方言では「なぜ=ヌーリチ」「チャーガ=a'ga」又はヌーリチ
「チャール=t,a'ru=zia'ru」と言います。貸したお金を払って欲しい思っているのに、昔の事を持ち出し
て「zia'ra=t,ara=チャラ」したい、借金は「無かった」事にしたいと言われたら面白くないでしょう。
女の人は自分が着ている服と殆ど同じ服を他人が着ているのを見ると「不機嫌になる」そうです。「zara
ザラ」にある物は大事にされないどころか「嫌われる」場合もあるようです。「zaran=t,iaran=チャラン」
ポランな人と付き合うのは「避ける」人が多いと思われます。「嫌だ」と言って「拒絶する」人も多いでしょう。
「嫌な」物は「ke-zira=ke-t,ira=蹴散ら」す人もいるでしょう。「ke-zira-mi=毛じらみ」は「嫌な」昆虫です。

 アッカド語では次の通りです。

zia'ru = 嫌う、憎む、避ける、拒否する、

       英語では to hate, to dislike, to detest, to abhor, to avoid, to refuse

zeru = 嫌う、無視する

       英語では to hate, to dislike, to neglect