クリ・ガ・マシと実が違う:  あれよりもこれが良いと変った種

 二つの物の中から気に入らない物を渡されそうになると、別のを指してこれが良い
と言う場合があります。名護方言では「ウリ」がマシと欲しい品物を指す場合が多い
ですが、首里方言では「kuri=クリ」がマシと言います。「別の」品を指してクリと
言っていますので、「kuri=別の」です。「kuru=クル」「変る」と言う表現もあります。
競馬では前もってどの馬が勝つか予想して馬券を買います。「当てが外れ」、「予想
に反した」結果が出るのが普通でしょう。そういう場合は予想が「kuru=狂」う、と言い
ます。一人の女性が二人の男との間に子供が出来ると、「父親が違う」子供は「sane
=種」が「違う」と言います。同じ意味の二種類の言葉を並べて新しい意味の言葉を
作る日本語の作法に「クルクル変わる」と「種が違う」も当てはまっています。すなわち
「kuru=クル=変る」、「sane=種=違う」であるのが分ります。

 スメル語とアッカド語は次の通りです。

KUR = 別の、違う、スメル語、英語では different

sanu = 別の、違う、アッカド語、スメル語の KUR、英語では different