ペーガサーとヒーゴサラとゴッソリ

 多量を「ゴッソリ」と言います。頻繁に細かい動きをするのは「ゴソゴソ」です。「goso=沢山、多量、
勝者・権力者の行動」と考えられます。ゴルフでは優勝すると色々な賞品を「ゴッソリ」持っていきます。
二位との差は歴然としています。名護方言では「ヨーピ」、「ウッピ」など「pi=量や回数などの単位」
です。竹富方言を見ると「ヒーゴサラ」は「幾度も、数多く、何回も、度々、ゴッソリの回数」になって
います。竹富方言辞典を見て「ヒーゴサラ」の意味を分析してみました。名護方言の「ピー」首里方言
では「ヒー」です。「痒い」時には患部を「hikiri=sikiri=頻り」に掻きます。痒い所にはオデキ、疥癬、瘡蓋
があるかもしれません。多いのを「kasa=嵩」張ると言います。疥癬を掻き過ぎて瘡蓋、オデキのような
物が「頭」に出来ると名護方言では「pe'gasa'=ペーガサー」と言い、首里方言では「he'gasa'=ヘーガサー」
です。ペーガサー、ヘーガサーになったらその患部を「何度も繰り返して」掻くでしょう。そうするとその患部
は益々「悪く」なります。ペーガサーはその部分が「盛り上がって」いて、まるで「瘤」のようです。まるで
「沢山の瘤」が並んでいるように見えます。 このような病気に罹る人は一昔前には沖縄にもいましたが、
この頃は見た事がありません。 頻繁の「hin=頻」は「hi」を強調した言葉です。「頻繁」は「hin=頻=繁」
で同じ意味の二ヶ国語を並べた言葉と考えられます。以上の事を考慮に入れると竹富方言の「ペーゴサラ」、
「へーゴサラ」、「へーゴサン」、「へーゴー・へーゴー・イル」も同じ語源から派生した言葉だと考えられます。
「とても、大変」「汚い」のを名護方言では「pago'=パゴー」ハンと言います。首里方言では「hago'=ハゴー」
サンです。「笠」は「頭」に被ります。ペーガサーは頭に出来ますので、外観を見るとペーガサーほど「汚い」
病気はありません。音が似ている竹富方言はペーガサー、へーガサーと同じ語源から派生した言葉だと考え
られます。髪を綺麗に「梳いて掻き揚げ」ないと髪はバラバラ、ボサッとなり見ていて気持ち悪いです。その
ような「髪型」を名護方言では「gansar=ガンサー」と言います。「温室育ち」は「弱い」と言われます。
温室育ちは乳母「日傘=higasa」と言われます。「とても大事に」育てられた子供です。「higasa=日傘」の
中に「とても、沢山」と「弱い、悪い」意味が含まれているのが分ります。ペーガサーと日傘は同じ語源から
派生した言葉と考えられます。全く驚くべき発見だと思っています。


 スメル語では次の通りです。

HI = 掻き混ぜる、(髪や毛など)何度も梳いて掻く. 混ぜて品質落す、悪化させる

GAR = 盛り上げる、盛り上がっている、瘤、英語では heap up, knob

GAR = 一種の髪型、英語では a hairstyle

SHAR = 夥しい、数えられないほど多量の、英語では numerous