胸倉を掴むの語源について

 二人の人が戦う時、喧嘩をする時に見られる風景が胸倉を掴むです。胸を持って
来た為に「倉=大きい所」を付け加えて胸倉にしていますがこれは間違った当て字
です。「掴む」に近い表現に「抱きかかえる」があります。ボクシングでは弱い方は
自分が「グラグラ」したら、強い方に「抱きつき」ますが、レスリングでは強い方が
弱い方の「首根っこを押さ、締め上げて」しまいます。どちらも「接近戦」になり
ます。「gula」の音は「締め上げる、抱きつく、抱きかかえる」と関係があるのが
分ります。「gula=抱える=掴む」で胸倉を掴むは同じ意味の二か国語を並べた表現
であると推測できそうです。胸倉を掴まれたら「グラッ」とよろめく人も出て来る
のではないでしょうか。拉致の「LA=拉」は相手を無理やりに「掴む」事で、拉致は
「無理やり掴んで連れ去る」事です。「胸倉を掴む」の本来の意味は「首根っこを掴み、
絞めあげる」のが本来の意味だと考えられます。掴む所は胸ではなくて「首」です。
レスリングで相手の「首を抱える」姿を良く見ますが、それが胸倉の「GULA」に近いと
考えられます。以上の事が分るとヤフーの知恵袋の「胸倉を掴む」へのベストアンサー
の解釈は当っていますが、語源的解釈を付け加えると分り易いと思います。

 シュメル語では次の通りです。

GULA = 抱きかかえる、凭れかかる、掴む(直訳は首を吊るす、締め上げる)
      英語では embrace, lean over

GU = 首、英語では neck

LA = 吊るす、持ち上げた状態にする、英語では hang