糸満、糸目と行っちまって何時までも帰ってこない

おしんの物語をテレビで見た人は胸が痛んだようです。親子は同じ建物に住み一緒に生活するのが
普通です。親子が「引き裂かれる、引き離される」と胸が「痛み=itami 」ます。「itama 」行音は「ある
場所から外に人や物が出て行く」状態を表すようです。親切にされると「心の中から」感謝の気持が湧
き出て「痛み=itami」入ると言います。痛みとは何の関係もありません。「中から外へ出る」現象が
あるかどうかが問題です。「中から外へ」出る状態を表す言葉が「itoma」行音で表されるようです。
時代劇を見ると長い間奉公していたお店を「止めて出て行く」のを「暇=itoma 」乞いをすると言い
ます。この言葉も暇とは関係がありません。「出て行く」事と関係があります。お金持ちで寛大な人は
お金が懐から「出て行く」のを気にしないようです。金に「糸目=itome」を付けません。言葉を話すの
は「口の中から音を外に出す」事です。言うとも言います。「言ってしまえ」の元々の表現は「言っち
まえ=ittimae」だったかもしれません。「言ってご覧、言ってみては、言いなさいよ」の名護方言は
「イチメー=itime'」です。自分の意見を言うにはまず、勇気を「出して」それから意見をから口に
「出し」ます。「仲間内から追い出す」時には「行っちまえ=ittimae」と言い、本当に「出て行った」
なら、「行っちまった=ittima-tta 」と言います。農業をする人は土地に縛られます。陸の中、島
の中にいます。漁民は「島の外=海」へ漁に「出て行き」ます。漁民のは沖縄方言は「海の人=海人=uminchu」ですが、名護方言では「イチマナー=itima-na'」とも言います。方言を直訳すると「糸満人」
です。「海人=イチマナー」の集まった村が「糸満=itoman=itiman」の始まりだと考えられます。
「糸目=itome」や「糸巻き=itoma-ki」など糸や糸に「ma」行音がくっ付いた言葉は「外との関係」を
表すようです。外の団体と事をうまく運ぶには「連係」をしっかりしないといけません。「糸へん」の
言葉は「グルグルと外と内を行ったり来たりする動作・状態」を表す言葉が多いようです。服を縫う時
には糸は生地の表と裏を行ったり来たりします。「糸目=itome」を見るとそのようになっています。
土俵の中から「外に出す」技に「押し出し」があります。英語では「push」です。英語トルコ語辞典に
「push」を入力すると「itme」が出て来ます。

トルコ語では次の通りです。

itme = 押し出す、 追い出す、突き出す、突き刺す
      英語では push, thrust

itmek = 押す、押し出す、英語では push, thrust