地獄の沙汰も金次第、壁に耳有り、過敏、カビジン、株

 地獄の沙汰も金次第と言う諺もアッカド語と沖縄方言、沖縄の行事、習慣を知らないと
その本当の意味は理解出来ないでしょう 。地獄の沙汰も金次第と言う諺を毎年の行事に
したのが沖縄のお盆の最終日に行う見送りの時に行うしきたりです。金次第と言う事は金
が「物を言い」それを受け取った人は金が、金の持ち主が言った事を「聞き入れる」状態
を表します。「qabe=壁」に耳有りと言われます。 「qabe」など「qaba行音は「聞ける、
聞く能力がある」事を表しています。 お盆の最終日に「紙」にお金のような模様を打ち
込んだ紙切れを燃やします。そのお金は「紙幣=kabi-zin」と言われています。そうすると、
将棋の歩が「ト金」に変るように、「qabi=紙」が地獄でも天国でも通用する「お金」に
「変る」と信じられています。地獄の入口にいる閻魔大王にそれを渡すと地獄の入口で、
カビジンを呉れた人を追い払い、あっちへ行け、天国へ行けと指示します。紙の沖縄方言
は「qabi=カビ」でアッカド語では「kabbu=燃やす」、「qabu=話す」です。「紙のお金」
「カビジン」は「燃やす」と「物を言う」「お金に変身する」のです。燃やすと物を言う状態
を表し、音も似ている沖縄方言は他にも有ります。肉は燃やす、焼くとカバ焼きのよう
に「良い香り」がします。名護方言では「qaba=カバ」ハン、良い香りです。「qabu=qabi
=黴」の生えた「話」は通用しませんが、今、目の前でお金を見せてお願いした事は通用
します。「言う、喋る」の沖縄方言には「qabi=話」から「q」を抜いた「abi=アビ」の音
で表現する方法があります。名護方言では言うは「abin=アビン」、言ったは「abi=アビ」
タンです。お金があろうが無かろうが、いつも不機嫌に見えて殆ど喋らない人も居ます。
このような人も面白い表現がなされます。叺という袋のようにいつも入口、口を閉めている
人と表現します。沖縄方言では「kamadi=カマヂ」サーです。お金の威力は物凄いです。
のろまと思われていた人も、お金を見せると「qabin=過敏」に反応します。お金を受け
取った人はお金を呉れた人が責められると「qaba=庇」って呉れるでしょう。閻魔大王
同じように行動すると信じられているようです。現在は資産を増やす方法、蓄財の方法が
変りました。お金でなくても別の物を見せたら物を言う、地獄の沙汰も「qabu=株」次第
になっています。漢字、言葉はお金から「qabu=株」に変っていますが、それが本来の姿
でしょう。「物を言う」のはお金ではなくて「qabu」です。


 アッカド語では次の通りです。

  qabu   = 話す、英語では to speak, to say, to talk

  kabbu  = 燃やす、焼く、激怒、懲罰、
         英語では to burn, wrath

  kaba'bu =  kabbu と同じ