トゥスイとニーシェー: 年寄りと若者の違い

 沖縄方言では年寄りは「tusui=トスイ」で若者は「ニーシェー」と言います。トゥスイとニーシェー
の違いは長い時間立たせると分ります。年寄りほど早く「座り」たがるか、「座り」ます。「tushui=
tusui=トゥスイ=年寄り」の音は「座る」と関係がありそうです。寄る年波には勝てないと言われる
ように「tushi'=toshi=歳」を取ると「体力が衰えて」きます。膝と腰が「弱くなる」と言われます。
若い人より早く「座り」たがるようになります。シルバーシートがあるのもその為でしょう。まだ若い
のに人より早く「座り」たがる人には「どの」「歳=toshi」こいてと表現する場合があります。「どの」
位欲しいのかねは「どれ」位欲しいのかねに言い換えが出来ます。「これ」位が「良い」かねと実際の
数量を示す場合もあります。「どの=どれ=これ=良い」と変化したと考えると「どの」歳こいては
「いい」歳こいてと同じ意味になります。「どれ」名護方言は「ヌー」を使いますが「どれ」を名護方言
式に発音すると「duri=ドゥリ」になります。良い歳こいては「少ない、十分でない、未熟」ですので
「下の方へ動く」、地面からの「短い」距離への動きを表す「座る」とは同じ状態を表すと見なして良い
のではないでしょうか。「人より早く座る」「特権」は「年寄り」に「与えられている」と見なしても良い
でしょう。ギリシャ語では「doro=神からの贈り物」です。

 スメル語では次の通りです。

  TUSH = 「座る」、スメル語、英語では to sit (down)、DUR の原形

  DUR =  座る、スメル語、英語では to sit(down), imperefect singular stem of TUSH

  doro =  贈り物、ギリシャ語、英語では gift, present