ドゥー・ブニ・ヤムンと無に帰す

 昔の労働は農業など「肉体労働」が殆どだったと思います。つい最近、4〜50年ほど前まで農業人口
労働人口に占める割合は50%以上でした。 今でも経済発展が遅れている国では農業の占める割合
が大きいです。そんな状況下では「働き過ぎる」と「体の節々が痛くなり」ます。 沖縄方言では「du'buni=
ドゥブニ」ヤムンと言います。「ヤムン」は「病ムン」です。 疲れた時に実際に「怠く」感じるのは
「脚の部分、脚や膝」ではないでしょうか。私は「du’buni=ドゥー・ブニ」は「du'=ドゥ=脚=足」
「dub=膝」と「puni=buni=骨の当て字=弱い=疲れた=骨が痛い状態」と分解できると思っています。
「足」の役目は「行く、動き回る、する、地面を掴む」などです。名護方言では「骨」も「舟」も「puni」
です。腰骨は「kusi-buni=クシブニ」です。 「huni=buni=puni」の変化が分ります。 板子一枚下は
「地獄」と言われます。舟はとても「危険な乗り物」であると古代の日本人は思っていたのが分ります。
船酔いは「舟に酔う」と書きます。酒に直ぐ「酔う」人は酒に「弱い」です。船酔いの名護方言は「pune'
=プネー」で、首里方言では「hune'=フネ―」です。この「huna」行音で「弱い、悪い」状態を表す言葉
には「hunu-ke=腑抜け」があります。酒を「lappanomi=ラッパ飲み」すると直ぐに「酔い潰れる」でしょう。
 「puna」、「hana」、「bana」行音や「lapano」の音には「弱い、悪い」状態を表すのが分ります。
「花」の「命は短い」と言われます。「短小は弱い」と考えられます。「hana=短い、弱い」と考えて
良いしょう。「美人は綺麗な花」に例えられます。玄宗皇帝は楊貴妃を「解語の花」と「花」に例えま
した。「美人薄命」と言われます。「短くて薄い命」が「薄命」です。沖縄方言の「du'buni=ドゥー・
ブニ」ヤムンは「足腰が痛い」特に「足、脚=du'」が「痛い=弱くなっている状態=buni=puni」と
考えて良いでしょう。さびしいはさみしいで、日歩の「歩=bu」は一歩の「歩=po」ですので、「b=m=p」
です。「buni=puni=muni」になります。「全てが駄目」になった状態は「muni=無に」帰す、です。
「歯が浮く」と「hano=歯の」「病気」に罹っていると思われます。「歯が浮く=軽薄、不快」ですので、
大まかな概念では「病気=悪い状態」と同じ範疇に入ります。名護方言では「口が軽くて評判の悪い」人
は「口」「パーパー=parpar=pauper」と言います。

 スメル語とアッカド語は次の通りです。

 DU = 行く、歩き回る、掴む、立てる、スメル語
英語では go, whirl, hold, build
DUB = 膝、スメル語、英語では knee

BAD = 足、スメル語、英語では foot

BAD = 開く、スメル語、英語では to open

DUB BAD = 動きが早い(直訳は足を大きく開く)、英語では go swiftly

 HUNU = 弱い、英語では weak

 lapnu = 貧弱な、貧しい、スメル語のHANU と同じ、英語では poor, pauper