ナイ・ハンチとパンチ: 空手の型とボクシングのパンチ

 沖縄では空手の基本的な型をナイ「ハンチ=hamti」と言います。いくつかの型がある
そうです。 空手もボクシングも如何に「速く」「punch=パンチ」を出せるかどうかで
勝負が決まります。「空手の熟練者やボクシングのプロ選手」の「手の動き」は「物凄く
早い」です。「hamti=hanti=ハンチ」の音は「速さ」と関係があるようです。ボクシング
選手が繰り出す「punch=パンチ」の「速さ」はボクシングを見た事がある人なら誰でも
知っているでしょう。空手も同じです。熟練者の手足の動きは「物凄く速い」です。速さ
を競うスポーツでは一番速くゴール達した者が優勝です。それ以外の人は「勝ち損ねた」
人たちと言えます。優勝から「外れた」人達です。「〜し損ねる、 外す」状態を名護方言
では「シー」「pamti=パンチ」ネンとかシーパンチャンと言います。首里方言では「hamti
=hanti=ハンチ」になります。ほとんどの場合に何かを「し損ねる」のは「決められた時間
に遅れる」からでしょう。「速くすべき事を速くしない」とシ「パンチ=pamti=hanti=ハンチ」
と言う状態に陥ります。私は魚の「ハマチ」の事は何も知りませんが、その音から推測すると
「餌を撒くと一番最初に来る、早く大きくなる、泳ぐのがとても速い、釣った後に腐るのが早い」
などのどちらかに当て嵌まると思われます。この文章を書く時に調べて初めて知ったのですが
「沖のハマチ」は「当てにならない」事だそうです。いつも何かをし損ねている人、シー・ハンチ・
ネンと言う人は「信用できない、当てに出来ない」と言われるでしょう。


 アッカド語では次の通りです。

  hamtu = 速い、素早い、抜け目のない、英語では quick, fast, swift, alert

  hantu = hamtu と同じ

  hamt,u'tu = 早く、急いで、英語では hastily, hurriedly, in a haste manner

  hama't,u = 急ぐ、早く来る、早い、英語では to hasten, to come quickly, to be early