無償・無性・蒸す・虫など「musa」行音を含む言葉

昨日の琉球新報に無償と無性を並べて教科書問題を取り上げているのを見て「musaa=ムサ」行音
について考えてみました。一つの範囲を決めてその「範囲内か範囲外か」を表す言葉にムサ行音が使わ
れるようです。会場や乗り物など一カ所に許容出来る人数は「限られて」います。その人数を「越える」
と「musa=むさ」苦しいと言います。我慢出来る範囲を「越える」と「musho=無性」に腹が立つと言い
ます。人間の声の届く範囲は「限られて」います。 その「範囲を越えて」会話が出来るように工夫した
のが「musen=無線」です。通常の行いや取り引きでは金を出して物を受け取ります。その規則や常識を
「破る」のが「musen=無銭」飲食です。普通ではあり得ない行いが「musho=無償」です。 特別な関係
を除けば「musa」行音は「掟破り、悪い事、良くない事」を表す場合が多いようです。悪い事をすると
刑務所の中へ入れられます。そこからは簡単には外へ出られません。悪い事をした人は「musho=務所」
帰りと言われます。これらの言葉から考えると「住む人が殆ど居なかった所、居住地域の範囲外、聖域、
墓地」などが「musasi=武蔵」の国だったと考えられます。古代には武蔵野は住む人が殆ど居ない地域
だったと考えられます。普通の生活はありふれていますので新しい事や珍しい事は滅多にないでしょう。
普通では起こらない、考えられない面白い事が起こると首里方言では「umusan=ウムサン」と言います。
「u=上」ですので「musan=限界、境界」の「上」、すなわち普通では起こらないあり得ない事が起こる
と「ウムサン=面白い」と表現するようです。もしこれが正しいと「u-musa=unsa=宇茂佐」は「神が住む
聖域」で「人が住まない所、墓地」だったかもしれません。

アッカド語では次の通りです。

 meserru = 帯、括る物、バンド、ベルト、ガードル、英語では band, belt, girdle